penguin-nack’s diary

「春の祭典」など個人的に好きな音楽を気ままに綴っています。

春の祭典 121 タバシュニク

今日の1枚。「春の祭典」ミシェル·タバシュニク指揮·ブリュッセル•フィルハーモニック(2009年2月26日録音。大地礼賛15分17秒、いけにえ17分02秒、計32分19秒)ラストに拍手が18秒間入る。

タバシュニク66歳のライヴ録音。全体的に速めのテンポで演奏している。「春のロンド」や「いけにえの賛美」「祖先の霊への呼びかけ」は特に速い。ただ、タバシュニクの統制のとれた指揮のお陰で、洗練された演奏となっている。

しかし、録音が迫力を伝えきれていないのが残念である。また、第二部「いけにえ」の序奏など、静かな演奏のときに観客の咳払いが再三聞こえてしまうのも気になってしまい残念である。

カップリング曲の交響詩ナイチンゲールの歌」が聞けるのはプラス材料である。

 

春の祭典 120 ヤンソンス3

今日の1枚。「春の祭典」マリス·ヤンソンス指揮·バイエルン放送交響楽団(2009年1月録音。大地礼賛16分42秒、いけにえ18分27秒、計35分09秒)
ヤンソンス66歳のライヴ録音。全体的にゆったりとしたテンポで演奏している。特に「春のロンド」や「乙女たちの神秘的な踊り」の最後の11連打は際立って遅い。その分、バイエルン放送交響楽団の高い能力も相まって、安定した演奏となっている。
ヤンソンスのCDは1992年49歳のときのオスロフィルハーモニー管弦楽団と2006年63歳のときのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団以来、私の知る限り3枚目となる。徐々にテンポが遅くなってきている。オスロフィルハーモニー管弦楽団の若々しい演奏が生き生きとしていて好きだが、この円熟した演奏も捨て難いものとなっています。

 

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春の祭典119 シャイー2

今日の1枚。「春の祭典リッカルド·シャイー指揮·ルツェルン祝祭管弦楽団(2017年8月録音。大地礼賛16分02秒、いけにえ17分52秒、計33分54秒)
シャイー64歳のライヴ録音。出だしのギヨーム・サンタナファゴット・ソロはとてもゆったりと歌わせている。前半の「春の兆し~乙女たちの踊り」は適度なテンポで演奏している。「敵の都の人々の戯れ」は速めである。後半の「乙女たちの神秘な集い」最後の11連打から「いけにえの讃美」へのテンポの切り替えが際立っている。続く「祖先の呼び出し」も速い。
とにかく、ルツェルン祝祭オーケストラの面々の演奏能力が高くて、ライヴとは思えないほど安心して聞いていられる演奏となっている。
シャイーのCDは1985年32歳のときのクリーブランド管弦楽団以来2枚目となる。アプローチの仕方は大きく変わってはいないが、当時の2倍の年を重ね、円熟した魅力がたっぷりの演奏となっている。


矢代秋雄:ピアノ協奏曲 まとめ

矢代秋雄「ピアノ協奏曲」のまとめをしたいと思います。

そもそも私は現代音楽が好きではありません。正確に言うと、無調音楽や12音技法、セリー音楽などです。もっと端的に言うと、口ずさめない音楽が苦手です。心地よくないからです。

矢代秋雄の「ピアノ協奏曲」は和音を含めて12音技法で書かれていますが、とてもメロディアスで口ずさめます。だから大好きなのです。

第1楽章:アレグロ・アニマート
ミとファが変拍子で伸縮する主題から心惹かれます。第1主題の終わりでカデンツァ風の叩きつけるような音型主題がまた良いのです。

第2楽章:アダージョ・ミステリオーソ
まず、ピアノ·ソロで中央ハ音の7音のパターン連打がリズム·オスティナートとして43回繰り返されます。それがその他の楽器を巡りながら、再びピアノ·ソロで43回繰り返されて楽章を終えます。
この執拗な繰り返しは、矢代秋雄さんが幼い頃、高熱を出したときに耳に響いてきたものを表したのだそうです。
ただ、矢代秋雄さんがお亡くなりになって半年後から1年後くらいのときに、NHKでこの曲を放送されたことがありました。そのときの演奏者は初演者の中村紘子さんでした。彼女はこの第2楽章のオスティナートのことを「ご自身の死を予感したレクイエムのように思える」と言っていたことが、とても印象的でした。それ以降、この楽章はレクイエムとして冥福を祈りながら聴いています。

第3楽章:アレグローーアンダンテーーヴィヴァーチェモルト・カプリチオーソ
冒頭の力強いオーケストラのトゥッティで始まるロンド形式の楽章です。最後に第2楽章の7音のパターンと第1楽章の主題を回想しながら締めくくられます。循環する主題の取り上げ方も素晴らしいです。

とにかく、矢代秋雄の代表作というだけでなく、日本人作曲家の代表作であり、ピアノ協奏曲を代表する作品だと思います。

2019年の6月に小菅優さんがピアノを弾くコンサートに行きました。それが、矢代秋雄のピアノ協奏曲を初めて生で聴く機会でした。暗譜で見事に弾きこなしていました!作品を自分の中で完全に消化した見事な演奏に感動しました!

ただ、この曲のCDはほとんどが廃盤なのが残念でなりません。ベスト盤は1977年の中村紘子若杉弘東京都交響楽団盤ですが、やはり廃盤です。小菅優さん盤を待望致します。

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矢代秋雄:ピアノ協奏曲⑤ 岡田博美

今日の1枚。
矢代秋雄:ピアノ協奏曲」
ピアノ:岡田博美
指 揮:湯浅卓雄
アルスター管弦楽団
(2001年6月、アルスターホール)

第1楽章:12分26秒
第2楽章: 7分32秒
第3楽章: 6分43秒
トータル:26分41秒

岡田博美のピアノによる演奏である。彼は1958年生まれの男性ピアニストである。北アイルランド最大の都市ベルファストのアルスター管弦楽団湯浅卓雄が指揮している。出だし、オケが合っていないところがあるのが気になるが、全体としては良い演奏である。日本人作曲家のCDはすぐに廃盤になってしまう中、一番手に入りやすいCDである。カップリングも矢代秋雄交響曲なので、お買い得である。NAXOSレーベルさん、ありがとう!


矢代秋雄:ピアノ協奏曲④ 舘野泉

今日の1枚。
矢代秋雄:ピアノ協奏曲」
ピアノ:舘野泉
指 揮:佐藤功太郎
東京都交響楽団
(1992年1月25日、東京文化会館 ライヴ録音)

第1楽章:12分50秒
第2楽章: 7分30秒
第3楽章: 6分55秒
トータル:27分35秒

ピアノは舘野泉である。東京都交響楽団第342回定期演奏会都響日本の作曲家シリーズⅡ 矢代秋雄作品集」のライヴ録音である。舘野泉コントラストの効いた演奏である。全楽章、静と動の対比が素晴らしい。特に第2楽章の中音ハ音の連打は、静謐の極みである。こういう音源が残されているのは、ありがたいとしか言いようがない。

矢代秋雄:ピアノ協奏曲③ 中村紘子3

今日の1枚。
矢代秋雄:ピアノ協奏曲」
ピアノ:中村紘子
指 揮:外山雄三
NHK交響楽団
(1982年3月26日、NHKホール·ライヴ)
第1楽章:12分43秒
第2楽章: 8分27秒
第3楽章: 6分50秒
トータル:28分00秒

初演から15年後の中村紘子の演奏である。NHK交響楽団定期演奏会のライヴである。一番ゆったりした演奏である。その分、情緒豊かな表現になっている。ライヴの緊迫感も伝わるディスクである。最後は拍手が入る。