春の祭典118 ベイヌム
今日の1枚。「春の祭典」エドゥアルト·ファン·ベイヌム指揮·アムステルダム·コンセルトヘボウ管弦楽団(1946年9月録音。大地礼賛15分14秒、いけにえ16分54秒、計32分08秒)
ベイヌム45歳のモノラル録音。さすがにヒスノイズが多い。前半は「春の兆し~乙女たちの踊り」はゆったりと演奏し、徐々に速度を増し、速いまま「大地の踊り」で締めくくっている。後半「いけにえ」はインテンポで演奏している。
ベイヌムはメンゲンベルクの後を受け、アムステルダム·コンセルトヘボウ管弦楽団の音楽監督となった。メンゲンベルクが個性剥き出しの濃厚な演奏をしたのに対し、ベイヌムは正統的な演奏をした。難曲「いけにえの踊り」でも、あくまでも楽譜に忠実に演奏しようとしているのがよくわかる。
メンゲンベルクに比べ、個性が薄いとされるベイヌムだが、その真摯な演奏ぶりは記憶に留められるべきである。例えば、ブラームスの交響曲第1番の1951年や1958年録音盤などはわざと重厚さを削いだかのような美が感じられる。夭逝でステレオ録音が少ないのが、本当に残念である。