penguin-nack’s diary

「春の祭典」など個人的に好きな音楽を気ままに綴っています。

カルミナ・ブラーナ21 ヴァント

今日の1枚。「カルミナ・ブラーナ」ギュンター·ヴァント指揮·北ドイツ放送交響楽団(1984年5月14日ライヴ録音。60分20秒)
ヴァント73歳のライヴ録音。
ソプラノはマリア・ヴェヌーティ、テノールはウルフ・ケンクリース、バリトンはペーター・ビンダー。合唱は北ドイツ放送合唱団、ハノーファー州立歌劇場合唱団、ハンブルク少年合唱団。
ソプラノは綺麗な歌声。テノールは表情をつけた歌声。バリトンのペーター・ビンダーは、ライヴ録音のせいか、強弱を激しく付けた強調する歌い方をしている。彼は1974年のマイケル・ティルソン・トーマス盤でも歌っており、当時より強調の仕方が激しさを増している。
第1曲の「おお運命よ」ではヴァントは派手さの無いゆったりした演奏をしている。ただ、聞き進めていくと、冗長ではなく、統率のきいた聞きやすい演奏を繰り広げている。第6曲は弦がとても美しい。第22曲は速めの演奏。この曲は少年合唱団の低音が粗野に聞こえることが多いのだが、この演奏はとても上品に歌っている。第24曲はとても速いテンポで演奏している。ペンデレツキの演奏と比べたら分かるが(比べる相手がまずい?)、ヴァントのオーケストラ及び合唱団の統率力の凄さがよく分かる演奏となっている。カルミナ・ブラーナのライヴ盤の中では断トツの名盤である。