penguin-nack’s diary

「春の祭典」など個人的に好きな音楽を気ままに綴っています。

カルミナ・ブラーナ23 ティルソン・トーマス

今日の1枚。「カルミナ・ブラーナ」マイケル·ティルソン·トーマス指揮·クリーブランド管弦楽団(1974年8月録音。62分01秒)
ティルソン・トーマス29歳の録音。
ソプラノはジュディス・ブレゲン、テノールはケネス・リーゲル、バリトンはピーター・ビンダー。合唱はクリーブランド管弦楽団合唱団、クリーブランド管弦楽団児童合唱団。
ソプラノは美しく、第23曲の最高音も聴き応えがある。テノールは丁寧に歌っている。バリトンのピーター・ビンダーは強弱の付け方が激しい歌い方をする。ただ、10年後のヴァントのライヴ盤みたいにやりたい放題の強調はしていない。
マイケル・ティルソン・トーマスのスピード感溢れる若々しさが存分に表れた演奏となっている。第9、15、16曲はゆったり演奏しているが、第5、18、20曲はとても速い。第5、20曲は先走りすぎて、オーケストラがついて行くのが危うい程の疾走感である。第18曲は合唱の部分がとてつもなく速い。この曲の数ある演奏の中で世界一速い。ほぼ早口言葉か早送りである。世界記録を狙っていたとしか思えない。狙い通り、今だにこの世界記録は破られていない。何を考えていたのだ、マイケル。若気の至りとしか言いようがない。逆に「おお、運命よ」の最後のフェルマータはなかなか終わらない。こちらも世界記録を狙ったのか、世界の永遠性を狙ったのか。とにかく、面白い演奏であることは間違いない。