川久保 賜紀
昨日、「次世代を担う未来の巨匠たち」のコンサートに行ってきました。
川久保賜紀さんのヴァイオリンが特によかったです。曲目は、ブルッフのヴァイオリン協奏曲です。
クールな立ち居振る舞いで始まりました。演奏も情熱的になり過ぎはしないけれども、歌い所ではヴィブラートをしっかりかけた演奏でした。音量も大きく、最後尾の座席でしたが、よく届いていました。その明瞭で清々しいこと!
ヴァイオリン協奏曲ではブルッフが一番好きです。ヴァイオリンとオーケストラの掛け合いはもちろん、ヴァイオリンソロ、そしてオーケストラのトゥッティ、どれをとってもメロディアスでうきうきします。
多くの日本人女性ヴァイオリニストがこの曲のCDをリリースしてきました。前橋汀子、千住真理子、諏訪内晶子……
なぜなのでしょう。
昔、千住真理子さんがこのブルッフのヴァイオリン協奏曲を「かっこいいから好きだ」というインタビュー記事を読んだことがあります。
メロディアスで素敵な曲だけど、「かっこいい」という感覚が今一つ理解できていませんでした。
それが今回、川久保賜紀さんのインタビューでわかりました。「改めて良い曲だと実感しましたね。第1楽章でオーケストラが盛り上がるところなんて”カッコイイ!”って。……終楽章もパルスの躍動感があって、そこにドイツ音楽的な重さも備わっています」彼女もカッコイイという言葉を使っていました。
演奏者にとって、オーケストラのダイナミックさや躍動感を間近でストレートに体感できる曲なのでしょう。
観客の立場では、オーケストラをバックにキリリと演奏する姿がとてもカッコよく映りました。この曲には、やはり男性よりも女性ヴァイオリニストが似合います。
素晴らしい演奏をありがとうございました!