penguin-nack’s diary

「春の祭典」など個人的に好きな音楽を気ままに綴っています。

矢代秋雄:ピアノ協奏曲② 中村紘子2

今日の1枚。
矢代秋雄:ピアノ協奏曲」
ピアノ:中村紘子
指 揮:若杉弘
東京都交響楽団
(1977年4月19,20日荒川区民館大ホール)
第1楽章:11分37秒
第2楽章: 8分07秒
第3楽章: 6分49秒
トータル:26分33秒

初演から10年後の中村紘子の演奏である。第1楽章は速めの演奏である。第2、第3楽章は10年前に比べてゆったりとした演奏となっている。中村紘子が最も激しく生き生きと演奏しているディスクである。中村紘子の代表CDと言っても過言ではない。

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矢代秋雄:ピアノ協奏曲① 中村紘子1

今日の1枚。
矢代秋雄:ピアノ協奏曲」
ピアノ:中村紘子
指 揮:岩城宏之
NHK交響楽団
(1968年5月30日、世田谷区民会館
第1楽章:12分15秒
第2楽章: 7分15秒
第3楽章: 6分37秒
トータル:26分07秒

日本のピアノ協奏曲の最高峰である「矢代秋雄:ピアノ協奏曲」を取り上げる。初演から半年後に録音されたアルバムである。ピアノは初演者の中村紘子である。さすが初演者だけあり、緊迫感がひしひしと伝わってくる演奏である。


カルミナ・ブラーナ まとめ

この辺りでカルミナ・ブラーナのまとめをしたいと思います。
皆さんプロの演奏なので、悪いものはないのですが、カルミナ・ブラーナが難しいのは、ソリストを取るか合唱団を取るかそれともオーケストラを取るかというところにあります。ヘルマン・プライルチア・ポップが好きならアイヒホルン盤、グルベローヴァが好きなら小澤征爾ベルリン・フィル盤、ヘンドリックスが好きならウェルザー・メスト盤になります。ただ、ここでは総合的に考えて良いと思うものを挙げます。

まず、第4位はウェルザー・メスト盤です。メストの若さ溢れた演奏が冴え渡っています。こんなにキビキビしていて統率の取れた演奏を20代でするとは!!さすが後にウィーン国立歌劇場の音楽総監督になるだけのことはある指揮者です。バーバラ・ヘンドリックスの歌声も素晴らしい。

ベスト3に行く前に番外編。怖いもの見たさがたまらないと言う方にお勧めの奇天烈な2枚を。①ティルソン・トーマス盤と②ペンデレツキ盤です。①はとてつもなく速い演奏、②はオケが崩壊したライヴ盤です。普通の演奏に飽きたときに聞くと覚醒できます。

さて、第3位はヴァント盤です。ペンデレツキとは大違いのライヴ盤です。ライヴでこれだけ統率の取れた演奏ができるなんて、やはりヴァントはただものではありません。カルミナ・ブラーナのライヴ盤では断トツの1位です。

第2位はケーゲルの1959年盤です。この年代でこれだけの演奏ができるなんて、ヴァント同様ケーゲルもただものではありません。

そして、第1位はヨッフム盤です。予想通りではありますが、これだけは外せません。フィッシャー・ディスカウの余裕たっぷりの歌唱力は最高です。彼だけでなく、全体として、これだけ熱気に包まれた演奏は他にはありません。オルフ監修のもと、各人が素晴らしいものを作り上げるんだという意気込みが、ひしひしと伝わってくる名盤中の名盤です。カルミナ・ブラーナと言えば、何はともあれ、このヨッフム盤を聞くべしなのです。

奇しくも大昔からある「東のケーゲル、西のヨッフム」という言い伝え通りの結果となってしまいました。古人の耳は確かだったというのを確認したことになりました。

結局、今世紀になってまだ往年の演奏を凌ぐものが出てきていないということです。ここはやはり、ゲルギエフ、ロト、ドゥダメル、そしてクルレンツィスに一肌脱いでもらって、超ド級カルミナ・ブラーナをリリースしてもらいましょう!本当に期待しています!!

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カルミナ・ブラーナ26 ムーティ

今日の1枚。「カルミナ・ブラーナリッカルド·ムーティ指揮·フィルハーモニア管弦楽団(1979年3月録音。59分00秒)
ムーティ37歳の録音。
ソプラノはアーリン・オージェ、テノールはヨーン・ファン・ケステレン、バリトンはジョナサン・サマーズ。合唱はフィルハーモニア合唱団、サウスエンド少年合唱団。
ソプラノのオージェは最高音はか細いが、美しい歌声を聞かせてくれる。テノールは細い歌声で白鳥を表そうとしている。バリトンは朗々と歌っている。
若き日のムーティの溌剌とした演奏である。「おお、運命の女神よ」ではゆったりと歌わせているが、テンポは速めである。第2,5,10,11曲は特に速い。金管も派手に鳴らしている。かと言って、音楽が崩れているわけではなく、全体として均整のとれた演奏となっている。


カルミナ・ブラーナ25 ハーディング

今日の1枚。「カルミナ・ブラーナ」ダニエル·ハーディング指揮·バイエルン放送交響楽団(2010年4月ライヴ録音。61分31秒)
ハーディング34歳のライヴ録音。
ソプラノはパトリシア・プティボンテノールはハンス・ヴェルナー・ブンツ、バリトンクリスティアン・ゲアハーヘル。合唱はバイエルン放送合唱団、テルツ少年合唱団。
ソプラノのプティボンは細い歌声に聞こえるが、最高音はホップステップジャンプで力強く歌う。テノールカウンターテナーのような高い声で高音を綺麗に歌っている。バリトンは軽く歌う時は細く、低音は太く歌っている。
ハーディングは第3曲をとても遅く演奏している。第22曲はライヴ録音のせいか、迫力が今一つである。第5曲など合唱とオケが合ってないところもあるが、ソツのない演奏をしている。ただ、34歳という若さでこんなソツのないまとまった演奏をしていていいのかとも思ってしまう。うまいのは分かるが、若いのだから、もっとハジけてもいいのではないのか!?うまいを個性にする年齢にしては若すぎる。


カルミナ・ブラーナ24 メータ

今日の1枚。「カルミナ・ブラーナ」ズビン·メータ指揮·ロンドン·フィルハーモニー管弦楽団(1992年9月録音。60分27秒)
メータ56歳の録音。
ソプラノはスミ・ジョー、カウンターテノールはヨッヘン・コヴァルスキ、バリトンはボイエ・スコウフース。合唱はロンドン・フィルハーモニー合唱団、サウスエンド少年合唱団。
ソプラノのスミ・ジョーは最高音はか細いが、透明感のある美しい歌声である。カウンターテノールは高音を綺麗に歌っている。バリトンは表情をつけ過ぎない歌い方をしている。
メータは第5曲は速めのテンポで進めているが、あとは標準的かゆったりした演奏となっている。若い頃のようなぐいぐいオーケストラを引っ張っていく感じではなくて、均整のとれた演奏である。


カルミナ・ブラーナ23 ティルソン・トーマス

今日の1枚。「カルミナ・ブラーナ」マイケル·ティルソン·トーマス指揮·クリーブランド管弦楽団(1974年8月録音。62分01秒)
ティルソン・トーマス29歳の録音。
ソプラノはジュディス・ブレゲン、テノールはケネス・リーゲル、バリトンはピーター・ビンダー。合唱はクリーブランド管弦楽団合唱団、クリーブランド管弦楽団児童合唱団。
ソプラノは美しく、第23曲の最高音も聴き応えがある。テノールは丁寧に歌っている。バリトンのピーター・ビンダーは強弱の付け方が激しい歌い方をする。ただ、10年後のヴァントのライヴ盤みたいにやりたい放題の強調はしていない。
マイケル・ティルソン・トーマスのスピード感溢れる若々しさが存分に表れた演奏となっている。第9、15、16曲はゆったり演奏しているが、第5、18、20曲はとても速い。第5、20曲は先走りすぎて、オーケストラがついて行くのが危うい程の疾走感である。第18曲は合唱の部分がとてつもなく速い。この曲の数ある演奏の中で世界一速い。ほぼ早口言葉か早送りである。世界記録を狙っていたとしか思えない。狙い通り、今だにこの世界記録は破られていない。何を考えていたのだ、マイケル。若気の至りとしか言いようがない。逆に「おお、運命よ」の最後のフェルマータはなかなか終わらない。こちらも世界記録を狙ったのか、世界の永遠性を狙ったのか。とにかく、面白い演奏であることは間違いない。