penguin-nack’s diary

「春の祭典」など個人的に好きな音楽を気ままに綴っています。

カルミナ・ブラーナ まとめ

この辺りでカルミナ・ブラーナのまとめをしたいと思います。
皆さんプロの演奏なので、悪いものはないのですが、カルミナ・ブラーナが難しいのは、ソリストを取るか合唱団を取るかそれともオーケストラを取るかというところにあります。ヘルマン・プライルチア・ポップが好きならアイヒホルン盤、グルベローヴァが好きなら小澤征爾ベルリン・フィル盤、ヘンドリックスが好きならウェルザー・メスト盤になります。ただ、ここでは総合的に考えて良いと思うものを挙げます。

まず、第4位はウェルザー・メスト盤です。メストの若さ溢れた演奏が冴え渡っています。こんなにキビキビしていて統率の取れた演奏を20代でするとは!!さすが後にウィーン国立歌劇場の音楽総監督になるだけのことはある指揮者です。バーバラ・ヘンドリックスの歌声も素晴らしい。

ベスト3に行く前に番外編。怖いもの見たさがたまらないと言う方にお勧めの奇天烈な2枚を。①ティルソン・トーマス盤と②ペンデレツキ盤です。①はとてつもなく速い演奏、②はオケが崩壊したライヴ盤です。普通の演奏に飽きたときに聞くと覚醒できます。

さて、第3位はヴァント盤です。ペンデレツキとは大違いのライヴ盤です。ライヴでこれだけ統率の取れた演奏ができるなんて、やはりヴァントはただものではありません。カルミナ・ブラーナのライヴ盤では断トツの1位です。

第2位はケーゲルの1959年盤です。この年代でこれだけの演奏ができるなんて、ヴァント同様ケーゲルもただものではありません。

そして、第1位はヨッフム盤です。予想通りではありますが、これだけは外せません。フィッシャー・ディスカウの余裕たっぷりの歌唱力は最高です。彼だけでなく、全体として、これだけ熱気に包まれた演奏は他にはありません。オルフ監修のもと、各人が素晴らしいものを作り上げるんだという意気込みが、ひしひしと伝わってくる名盤中の名盤です。カルミナ・ブラーナと言えば、何はともあれ、このヨッフム盤を聞くべしなのです。

奇しくも大昔からある「東のケーゲル、西のヨッフム」という言い伝え通りの結果となってしまいました。古人の耳は確かだったというのを確認したことになりました。

結局、今世紀になってまだ往年の演奏を凌ぐものが出てきていないということです。ここはやはり、ゲルギエフ、ロト、ドゥダメル、そしてクルレンツィスに一肌脱いでもらって、超ド級カルミナ・ブラーナをリリースしてもらいましょう!本当に期待しています!!

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